手術費用の目安:保険診療です。自己負担3割でおよそ15,000~20,000円です。
手術日は月・火・水・金曜日PM2:00で予約制です。手術に関する相談・予約は診察の際にいたします。
電話での予約は受け付けていませんのでご了承ください。
検査・手術日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前診療 | / | / | / | / | / | / | / |
14:00~ | ○ | ○ | ○ | / | ○ | / | / |

- 1.痔核(いぼ痔)とはどのような病気でしょうか?手術は必要ですか?
-
肛門の少し奥には肛門を自然に閉じるための血管に富んだ柔らかい部分があります。便秘やアルコールの摂取、長時間坐った姿勢でいるなどの原因により血液の流れが滞ると、その血管はイボのように盛り上がり膨らんできます。それを痔核(いぼ痔)と呼びますが、徐々にうっ血が強くなり出血を起こすようになります。さらに長く放置すると痔核は大きくなり、支持している組織が引き伸ばされて肛門の外に脱出するようになります。これを脱肛と呼んでいます。
トリビア 内痔核は3個もできる!
上直腸動脈が枝分かれしたところ、つまり肛門を時計にみたてると3時、7時、11時にできます。
- 腹部
背部
脱肛を起こすほど重症化した場合、手術をしないと改善しません。
手術の方法は、2通りの方法があります。
1つは以前から行われている結紮切除術です。これは痔核をしばって切り取り、縫い合わせる方法です。
術後の痛みが強いため、通常は1週間程度の入院が必要です。
もう1つの方法は、最近開発された薬剤(ジオン)を痔核に注射をして治療する方法です。
薬液を注入するため一時的に腫れることがありますが、切らないため術後の痛みや苦痛はほとんどなく、日帰り治療が可能です。
どちらの治療が患者様に適しているかは、診察をして内痔核の状態により判断します。 - 腹部
- 2.ジオン注による日帰り治療法とはどのようなものでしょうか?
- 「脱肛を伴う内痔核」にジオンという薬液を痔核に注入して痔核をつぶす治療法です。しかも注射翌日から出血が止まり、数日で痔核が脱肛しなくなります。
痔核を切り取る手術と違って、痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」「傷口が痛む」というようなことはなく、日帰り治療が可能となりました。
- 3.ジオン注とはどのような薬でしょうか?
-
ジオン注の有効成分は硫酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸です。
硫酸アルミニウムカリウム水和物は痔核の血流を遮断し痔核を縮小させると同時に、正常な位置に固着させ出血や脱肛症状を抑える働きがあります。タンニン酸は硫酸アルミニウムカリウム水和物の急激な作用を緩和し、徐々に薬がいきわたるように調整しています。このジオン注は強力な作用があるため、局所にピンポイントに注入して正常組織への障害を起こさないように注意する必要があります。そのため技術を要します。
有効成分の頭文字からALTA※(アルタ)とも呼ばれます。
※Aluminum Potassium Sulfate Hydrate・Tannic Acid - 4.どのようにジオン注を投与するのでしょうか?
ジオン注は痛みを感じない内痔核に注射するので痛みはありません。ただし肛門鏡を挿入し肛門を一時的に拡げて手術視野を確保する必要があります。そのため始めに肛門へ局所麻酔薬を注射します。
そしてジオン注は四段階注射法といって図のようにひとつの痔核に4か所に分けて注射し、薬液を十分に浸透させます。複数の痔核がある場合は同様に行います。注射後は落ち着くまで1~2時間程度の安静が必要です。- 5.ジオン注を投与するとどのようになるのでしょうか?
-
出血がみられなくなります。
脱出や肛門のまわりの腫れがなくなります。
投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り、翌日には出血が止まり、脱出の程度も軽くなります。
約3カ月かけて腫大していた痔核は徐々に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織も元の位置に癒着・固定して、脱出がみられなくなります。